【 必須脂肪酸 オメガ 3 の考察 】
2018.10.21
目次
オイルやサプリは危険か
巷では現代科学による研究結果から新しく理解されたこと、マーケティングなどによる営利的誇張表現による流行などでオイルやサプリについての主張が氾濫しています。
この記事では、自分なりに調査し、実践してきた結果から私自身の考察を書いてあります。
これは現時点の考察であり、今後の科学の進歩から結論が変わる可能性を明記しておきます。
過去、調査、実践してきたのは、糖質制限、ナチュラルハイジーン、などを筆頭に幾つもの名前のつく食事療法は学び、そして経験しました。結果的にいいとこ取りをしている状態で落ち着いています。
この私の考え方は、オーガストハーゲスハイマーさんとも同じ考え方でした。
食事からとるオメガ3系のオイルが、健康に適しているかどうかを慎重にならざるをえない理由を考察していきますね。
もしかするとここに記載していることは、あなたの理解と異なるかもしれません。
異なることによるショックや憤りが起こる可能性もあります。
基本的には、この考え方は、両極端に陰陽両方を実践してきた結果で、これは過去の知識や経験を踏まえた私独自の考え方です。
この記事のポイント
食生活の質の追求のレベルによりますが
順番として
①何も考えずオメガ6系が多い植物油を多用している
②オメガ6系の油を減らし、オメガ3系の油を多く取るようにしている
ここでいう油とは、種などから搾り出された油です
③オメガ3系の脂肪酸の摂取は、油ではなくホールフードから得る
ALAは植物由来(亜麻仁、えごま、麻の種など)から
EPAおよびDHAは動物由来(野生の魚や海産物と放し飼いの鶏卵の卵黄)から
食事の質を追求していくと自然と③へいきます。
なぜなら、①、②はいずれも健康に対するリスクが③よりも高いからです。
オイルの摂取による一番のリスクは酸化と捉えています。
オメガ3とは
多価不飽和脂肪酸の一種です。
ごく少数の科学的な研究により認められている必須脂肪酸の1つです。
オメガ3は健康に欠かせないものですが、私達の身体はそれを作り出すことが出来ないので、食事から得ることが必要です。
この考え方は、一種のマーケティングによる誇張表現との捉え方もあります。
捉え方はもちろん両側面とも正解なので、どちらが良い悪いも判断はしません。
なぜ判断しないかは、この内容は、あくまで日常の生活習慣のうちの、食習慣の中の一つに過ぎないからです。重要ではありますが、一つの主要因です。僕たち人間は、トータルで考え、トータルで管理していけば良いからです。トータルとは、命の講座で皆さんが実践してきている、体、心、氣の三柱です。
話を戻し、オメガ3を食事から得ることが大切ですが、「沢山とれば良い」という意味ではないです。
オイルは、もちろん空気に触れることで酸化します。
幾つかのオイルは他のオイルよりも早く、簡単に酸化します。
油の最初の敵は、熱ではなく、酸素なのです。
オメガ3は多価不飽和脂肪酸で、分子構造ゆえんから、非常に簡単に酸化しやすいです。
よって日常生活の中で摂取する多価不飽和脂肪酸が多ければ多いほど、体内に酸化された油が簡単に増えます。
乳がんの発生とオイル
ここで少し話が逸れますが乳がんの発生数について書きます。
乳がん30年間で三倍に
http://macrobiotic-daisuki.jp/nyugan-risuku-genin-25909.html
30代から増加し12人に1人が乳がんです。
リスクその1 妊娠・出産の減少・遅い出産
リスクその2 ピルの多用
リスクその3 低品質な油・トランス脂肪酸・使いまわされた酸化した油の多用
ファーストフードやジャンクフード、菓子パン、コンビニ食品
特に植物性油脂(市販大豆油、コーン油、米油、ナタネ油、綿実油など)、高温の植物性油脂を使って調理した食品(揚げ物、フライ、天ぷら)、植物性油脂を含み高温で調理され食品(スナック、冷凍食品など)には、これらの人工的な操作によって発生したトランス脂肪酸が多く
酸化しやすい油ほど起こりやすく、天ぷら油の使い回しが一番有名
えごま油や亜麻仁油、DHA、EPAのようなオメガ3系の油は、過熱や長期放置が続くと酸化が進みやすい
リスクその4 ホルモン剤を打たれた海外産の肉など、動物性食品
リスクその5 魚の中に入っている有害化学物質
リスクその6 プラスチック類による影響
以上、乳がんに関わるリスク要因には、低品質な油や酸化した油が挙げられます。
話を戻します。
油の製造過程
植物油の製品が工場で、どのように製造され、瓶詰めされているでしょうか。
一般的に、油は、製造段階で元の種子から搾り出されます。
真空条件下で加工されていない場合は、油は空気に触れるため、酸化します。
現実的に、酸化を防ぐとしたら、真空条件下での加工が理想です。
しかし、場所とコストが高くかかるため、また油分の分離や変質もあるでしょうから、そのような行程を有する製造会社があるかは僕は聞いたことが今の所ないです。
酸化を考慮している会社も、40℃以下の低温圧搾の熱の考慮だけや水素添加などをしない精製を最低限にした行程に抑えています。
行程を終えて、瓶詰めの段階では、瓶の中の空気に触れ酸化します。
瓶詰め後は、様々な保管環境から開封前に既に酸化されている可能性もあります。
そして僕たちが、自宅で油を使っている間にも、酸化は進み、瓶の中に残っている空気がその酸化をより促進させていきますね。
どこまで追求するかにもよりますが、より健全的な健康を目指す人は、 ③のホールフードからオメガ3系の必須脂肪酸をとっています。
オメガ3系の脂肪酸は、脳細胞をはじめとして、多くの細胞の重要な部分を占めています。
現時点で、オメガ3脂肪酸は10種類以上確認されています。
その中で、最も重要といわれているのは、ALA、EPA、DHAの3種類です。
オメガ3系脂肪酸の中でも重要なALA、EPA、DHAについて
ALA、EPA、DHAの違いは何でしょうか。
EPA や DHA は、脂肪が多い野生の魚(たとえば、サケ、マグロ、マス)や、甲殻類(たとえば、カニ、ムール貝、カキ)のような海産物や、放し飼いの鶏卵の卵黄に含まれています。
ALAは、植物油(たとえば、セイヨウアブラナ、大豆、亜麻仁、えごま、麻の種など)など他の食物に含まれています。
<参考> オメガ3脂肪酸について知っておくべき7つのこと
7 Things To Know About Omega-3 Fatty Acids
http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/communication/c03/05.html
オメガ3脂肪酸は私たちの健康を保つために異なる機能を持っています。
そしてオメガ3脂肪酸はさまざまな異なる供給源から来ています。
人の身体は ALA を EPA とDHA に変換することが出来ることまでわかっていますが、それはごくわずかの量にすぎません。
2008年のウィーン大学における科学的研究で、ビーガンやベジタリアンはその食事にALAが豊富であったにもかかわらず、血流中のEPAとDHAのレベルが非常に低かったことが証明されています。
DHAは人間の健康と細胞構造にとって最も重要であることが科学的に証明されています。
ビーガンやベジタリアンの例から、ALAだけで人間の健康を助けるという明確な証拠はないです。
よって、私たちは、ALAだけでなく、EPAもDHAも別々に摂取する必要があります。
しかしながら、DHAの補給が人間の健康に有益であるという証拠もないのです。
現代科学はDHAが食物として摂取された時のみ、健康上で恩恵があることを発見したのです。
DHA EPAなどのオメガ3系脂肪酸と細胞伝達のメカニズム
脳科学の観点から説明します。
この内容は、以前、脳科学栄養学の竹内先生の講義から私が自分なりに理解した内容です。
まず脳細胞のメカニズムを説明します。
脳の神経細胞には、神経細胞の膜があり、その膜は脂肪酸でできています。その膜の主成分が DHA です。
脳の神経細胞の先端から神経伝達物質が出て、
それらは心を作る物質(セロトニン ノルアドレナリンなど)です。
それぞれの神経には、固有の神経があります。
セロトニンを作る神経はセロトニンしか作らないということです。
膜について詳しく説明すると、セロトニンが神経細胞たちをずっと伝わっていき、神経の末端に集まり放出されるときに、袋の中にセロトニンがいっぱい詰まっている状態になります。
袋とは、神経の末端の膜のようになっています。
それでその袋状の膜が口を開けて、集まったセロトニンが放出される
その膜は、非常に柔らかくて、この膜の主力成分がDHAというわけです。
さて、昨今の西洋的な肉食の時代では、
お肉を食べすぎると、つまりお肉は飽和脂肪酸ですから、
飽和脂肪酸で脳の神経細胞が作られることになります。
そうすると膜が硬くなります。
膜が硬くなるということは、膜の動きが固くなり、
結果的にセロトニンが出にくくなる。
そうすると鬱になったりするわけです。
この説明の一例をとっても脳と食は非常に関係していて
食が脳にとって重要であることがわかります。
夕食に何を食べたかで、その日の睡眠に関わってくる
ということですね。とても速いわけです。
ちなみに、
セロトニンの原料はトリプトファン=アミノ酸ですし、マグネシウムがないとメラトニンができない。そうすると睡眠障害になったりします。
つまり、脳が欲する食というのがあるわけです。
ちゃんと毎日届けてあげないと機能障害が起こる。
ただ、お腹一杯になれば良いというわけではないんですね。
また、過剰に必要以外のサプリを取れば良いわけでもない。
油の研究結果の歴史
全体の流れを俯瞰するために、過去の歴史を見ていきます。
1960年代の第一次流行
植物油脂、亜麻仁油、魚油(EPA)は、数百年もの間、ランプの燃料や塗料のニスとして使われていたが、石油を原料とする安価な製品開発によって、利用の歴史に終止符が打たれた、1960年頃から、“必須”脂肪酸とよばれ、体に良いとされた。
1980年代
シードオイル産業など多国籍企業(7つの国の調査)から、「動物性脂肪酸(飽和脂肪酸、コレストロール)は、心臓血管疾患のリスクを高める」(いわゆる「飽和脂肪酸悪玉説」) とされた。
1977年には、「マクガバン・レポート」穀物を増やして飽和脂肪酸を減らす内容が米国会議に提出された。
1990年代
ハーバード大学公衆衛生大学院のウォルター・ウィレット(Walter Willett)教授らが、トランス脂肪酸こそが、悪玉(LDL)コレステロールを増やし、善玉(HDL)を減らす、心疾患の大きなリスクになる脂肪だと結論づけた。
同時に、世界中の科学者たちが、バターやラードなどの飽和脂肪酸が、悪玉(LDL)コレステロールと善玉(HDL)コレステロールの両方を増加させること、健康に対しては多価不飽和脂肪酸のような利益がないと示すようになった。
2010年代
米医学誌「JAMAインターナル・メディシン(JAMA Internal Medicine)」にて、飽和脂肪酸が早死リスクを上昇させることが発表された。
2014年
英国ケンブリッジ大学のラジヴ・チョードゥリー(Rajiv Chowdhury)博士らによる、米国内科学会誌「Annals of Internal Medicine:AIM」に報告された論文を契機に、脂質闘争が再燃しています。
■参考文献
US National Library of Medicine National Institutes of Health「Association of dietary, circulating, and supplement fatty acids with coronary risk: a systematic review and meta-analysis.」
心血管疾患に対する食事のガイドラインにおける「飽和脂肪酸の摂取の制限し、多価不飽和脂肪酸を多く消費する」という推奨に対し、チョードゥリー博士らが、「これを支持する証拠はない」という結論を下したのです。
多くの米国メディアは「飽和脂肪酸は悪者ではない」「飽和脂肪酸の摂取は心臓病と無関係」「バターが帰ってきた」などと報道し、大騒ぎになりました。
■参考文献
The New York Times「Butter Is Back」
同時にこの報告に対して、多くの専門家の批判が始まりました。例えば、ウィレット教授は、「この分析は、複数の大きな間違いや見落としがあり、この結論は深刻な誤解を招くため無視するべき」と警告しています。
■参考文献
Harvard T.H. Chan School of Public Health「Dietary fat and heart disease study is seriously misleading」
ところで、イヌイットは、究極のケトン食で、「エスキモーダイエット」などと言われてます。
これは、「低炭水化物、高脂肪、高タンパク質」の食事で、食事の内容は魚や海獣類の肉だけで、イヌイットの人は老化が早いです。
このように、歴史を見ていくと、マーケティングによる商業的な一面も見せつつ、科学的な研究結果を絡めた主張があるわけで50年以上にわたり論争が今もなお続いています。
まとめ
以上から、
オメガ3系脂肪酸の摂取に関して、健康管理の観点では、②か③が良いだろうと結論付けています。②よりも③がよりベターです。
③の場合は、オメガ3は自然のホールフードから摂取が基本です。
ALA は生のクルミや亜麻仁(油でなく、種)から、
EPA と DHA は、野生の魚や海産物、放し飼いの卵(卵黄)から摂取です。
最後に、これはアメリカの研究結果ですが、食事中の過剰なオメガ3の摂取も危険な可能性があるという見方を支持していることも明記して、結びとします。